制作:創
「子供でも体験できるオルガン」が欲しくて制作。
一つ一つのホースがリコーダータイプの笛になっていて、足元のポンプを踏んで風船に空気を溜める。
バルブを押すと空気が通って笛が2本同時に鳴る仕組み。
もともと、オルガンでは空気送りに「噴霧器のレバー」を使っていましたが、これでは2本の笛を鳴らす風量が出ませんでした。
そのためバルブから自作するハメに…
バルブは、Leonard Solomon氏のシステムを使わせていただくことに。(ご連絡しました)
シンプルながら美しいシステム。
制作はほぼ空気漏れとの戦いでした。
曲は「大盛況」。
作曲者の稲田康さんにもパナソニックを通じてご連絡し、掲載の許可をいただきました。
これだけの音数でこの認知度の曲というのは、これ以外に無い!
オルガンの音程を安定させるには一定の風量が大切なため、原曲にはない和音を追加するなど一部改変しています。
また、どうしても低音が出づらい笛なので、一部低音を省略しています。
空気の通り道、バルブを作っていきます
塞ぐ方にスポンジを貼ります
シャフトが通る部分は丸棒に穴を開けます。まずは小さな穴を開けて
広げます。(今までは全ての楽器作りをドリル一本でやってきましたが、さすがに今回このためにボール盤を買いました)
アルミシャフトがぴったりはまるサイズのプラスチックパイプを中に接着
パーツはこんな感じ
チーズに先ほど作ったものをはめます
箱作り
どんどんいきます(後ほど、この向きで穴を開けたのを後悔するハメに…)
全てはまると気持ちいい!
太さが微妙に合わないところはビニールテープで調整
シャフトの頭には木を接着
空気箱を仮組み、シャフトのおしりにインクをつけます
バネが入る下穴をマーキング(ボール盤を使っているとはいえ手作業なので、完璧な垂直が出ません。シャフトの下りる位置を確認)
マーキングできました!
バネが入る下穴を開けていきます
よし
ようやく空気箱が作れます
分解可能なように鬼目ナットを埋め込むつもり
こんな感じで
空気漏れ防止でスポンジをパッキンに
よしよし
ボタンのタッチも確認しつつ
しかしやけに空気が漏れるな…?
スポンジを増やしてみたり
隙間をボンドで埋めたり
ガムテープを貼ってみたりしましたが…
結局、空気箱は作り直しに…
改善その①穴を開ける向きを反対に
最初に作ったものはこんな感じで穴の周囲が荒れてしまっていて、これが結構致命的でした
ふう…
改善その②パッキンを別の戸当りテープに
もともとのスポンジテープが硬めであまり隙間を埋めてくれないので、もっと潰れてくれるものに変更
さらに改善その③鬼目ナットで締める方式ではなく、パッチン錠で締める方式に
鬼目ナットは強く締めると浮いてきてしまうんですね…そのため密閉に向きません
そんなこんなで、ようやく前に進めます。笛の取付部を作って
ホースでリコーダーを作ります。なかなか安定せず100本くらい作りました
バルブにはファミマカラーのフエルト
ホースの笛は気温にピッチが大分左右されるので、閉管部を移動して調律できるように
パッチン錠にしたことで分解も容易になりました。ようやく完成ー!!